始まった当初はあまり話題にあがらなかったですが、ここにきて様々な施策に取り込まれる形で利用されだした「ロカベン」。
ローカルベンチマークの略ですが、要は同業他社と比較して自社の経営を評価してみましょう、という取り組み。
現在公募中のIT導入補助金の中にも同様のものが「経営診断ツール」という名前で登場します。
経済産業省のロカベン(EXCEL)の簡易版といっていいかと思います。
しかもIT導入補助金は基本的に申請を「IT導入支援事業者」と呼ばれる、IT屋さんが主となって書いてくれることが多いです。
つまり、中小企業は自分で入力する場合を除きIT屋さんに決算書2期(または3期)分を渡し、申請を作成してもらうことになります。
それって本当に大丈夫ですか?
ロカベンの正しい使い方について、中小企業オーナーやIT導入支援事業者に対して何度かセミナーを行いました。
しかし、決算書の数値を全てきちんと入力できた方は残念ながらおられませんでした。
例を挙げると、受取手形。
割引手形は含めるようにと注釈がありますが、では裏書手形は?
また社長が現場で一緒に作業に加わっている場合の従業員の数え方は?
「開発費償却」は減価償却費に含まれる?
などなど、中小企業の実態や業種に応じて迷うことが様々あります。
ローカルベンチマークは必要だと思うし、きちんとすればそれなりに役に立つと思います。
でも実際は補助金取得のためだけの形式的なもので、ある意味実態とは異なる結果のものがたくさん産み出されているような気がしてなりません。
ましてその結果を真に受けて経営判断される企業があると思うと・・・怖いです。
せめてその財務分析の部分は認定支援機関に任せてもらえたらよかったなぁというのが正直なところです。
IT導入補助金を検討されている企業様は、まず顧問税理士や認定支援機関にご相談されることをおススメいたします。
お問い合わせ