代表の村井です。
皆さま2019年分の確定申告は無事にお済でしょうか?
ご存知の通り、今年は確定申告期限が1カ月延長となり4月16日までになりましたので、まだ手続きされておられない方もいらっしゃるかと思います。
個人事業主の方、サラリーマンの方、どなたにも共通してよくあるのが、医療費控除ですね。
私も毎年、数十名の方々の確定申告をさせて頂いておりますが、そのうちの半数以上の方々に医療費控除の適用があります。
医療費控除を適用される方はたくさんいらっしゃいますが、2017年から始まった医療費控除の特例である「セルフメディケーション税制」の適用は意外と少ないのではないかと思います。
なぜなら、私がこの3年間でさせて頂いた医療費控除で適用があった方は一人もいなかったからです。
もちろん、たまたま通院されている方が多くて市販薬はほとんど購入されない方が多かった可能性もあるのですが・・・。
というわけで今回は「セルフメディケーション税制」について解説します。
※セルフメディケーション税制とは※
健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行っている方が、その年中に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために年12,000円以上の対象医薬品を購入した場合に適用が受けることができます。
一定の取組とは、次の取組をいいます。
①保険者(健康保険組合等)が実施する健康診査
②市区町村が健康増進事業として行う健康診査
③予防接種(定期接種、インフルエンザの予防接種)
④勤務先で実施する定期健康診断(事業主検診)
⑤特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
⑥市区町村が健康増進事業として実施するがん検診
対象医薬品は、医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)から、薬局やドラッグストア等で購入できる医薬品に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)とされています。
漠然としていてわかりにくいかなと思ったのですが、通常パッケージにマークがついているので一目瞭然でわかります。
セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、次の書類の提出が必要です。
①セルフメディケーション税制を適用し計算した確定申告書
②セルフメディケーション税制の明細書
③一定の取組を行ったことを明らかにする書類(提示によることもできます。)
<一定の取組を行ったことを明らかにする書類>
・インフルエンザの予防接種又は定期予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症等)の領収書又は予防接種済証
・市区町村のがん検診の領収書又は結果通知表
・職場で受けた定期健康診断の結果通知表
「定期健康診断」という名称又は「勤務先(会社等)名称」が記載されている必要があります。
・特定健康診査の領収書又は結果通知表
「特定健康診査」という名称又は「保険者名(ご加入の健保組合等の名称)」が記載されている必要があります。
・人間ドックやがん検診をはじめとする各種健診(検診)の領収書又は結果通知表
「勤務先(会社等)名称」及び「保険者名(ご加入の健保組合等の名称)」が記載されている必要があります。
※一定の取組を行ったことを明らかにする書類のうち、結果通知表は健診結果部分を黒塗り又は切取りなどをした写しで差し支えありません。
※経過措置として、令和元年分の確定申告までは、明細書ではなく領収書の添付又は提示によることもできます。
毎年医療費の少ない方で、年間で10万円(所得金額が200万未満の方は、所得金額の5%)を超えない方は、自分には関係ないと思いこんでおられるかもしれませんが、意外に適用ができたりする可能性もありますよ。
私は毎年この時期花粉症に悩まされており、先日も目のかゆみに耐えられなくなってドラッグストアで花粉症用の目薬を購入しましたところ、その目薬がたまたまセルフメディケーション税制の対象となっているものでした。
一度の購入で数千円かかり、もしも家族みんなで使用していたりすると年間12,000円くらいはクリアする可能性もあるのかなと思いました。
予防接種や健康診断は世間一般にされている人も多いと思いますので、決してハードルの高いものでもないなと感じました。
ただし、これはあくまで医療費控除の特例で、通常の医療費控除との選択適用となりますので、その点はご注意下さい。
医療費控除に限らず、確定申告で悩まれている方は、今からでも遅くありませんので、奈良・大阪の村井経営会計事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。